雲行水流

ゲーム周りの技術とかいろいろ

UnrealEngine5の映像は何で1段上のクオリティに見えるのか

www.unrealengine.com

 

すでに触っている方も多いかと思います。しかしサンプルとして上がっているデータが100GB、メモリ32GB、VRAM8GBを要求して重量級。

 

とはいえUE5は単純に高い性能を要求するというだけではなく、むしろ「ハイパフォーマンス、ハイクオリティをお手軽に」みたいな思想だったりします。

 

その一つが「Nanite」でこれは要するに「遠くにあるもののポリゴン数を減らしていく」という、大昔からあるLODという技術の発展形で、Naniteがごっついのはモデルに適用するだけで動的に省ポリゴンしてくれる機能です。

historia.co.jp

(ヒストリアさんのとこでやりかたを紹介してますが、ほんと簡単です)

 

このため、

「全体で見えてるモデルの細かさがグンと上がってみえる」

また、現行のゲームでありがちだった、

「遠くにあるものがフェードでポップアップを(ほとんど)しない」

みたいなことが起きてます。

 

これがもうインパクト抜群。流行りのリアルなフォトグラメトリオブジェクトとも相まって

「ぱっと見でプリレンダどころか実写と変わらない」

絵がでてきています。

 

もう一つ、Lumenというライティング技術があります。

docs.unrealengine.com

 

こちらはグローバルイルミネーションをリアルタイムで再現する技術なのですが、そもそもグローバルイルミネーションとは何かというと、ざっくりいえば光源が反射した光を再現するものです。これがあると一気に自然な光の表現となります。

 

ただ、今まではプリレンダでも膨大な計算時間がかかるもの。リアルタイムで行うのは難しく、それっぽく再現するにしてもかなり面倒なセットアップが必要だったりしました。

 

UE5ではLumenをオンにするだけで(というかデフォルトだとオン)特別な設定することもなく自然な光(反射光)が再現されます。こわい。

 

なによりすごいのは、これらの機能は今まで絵をキレイに見せるためにかかった多くの手間を一気に削減する可能性を秘めています。とくに「パフォーマンスと綺麗さのバランスをとる」というところの職人芸やチューニングの手間。

 

むろんターゲットとなるハードの要求もデケぇ……のですが、PS5、Xbox Series X世代のゲームはこうなるのか! が垣間見えるワクワク感がすごいです。